米国産牛肉:輸入再開 米国・カナダの輸入牛肉の表示
米国・カナダ産牛肉(生肉)の輸入が再開され、来年1月以降、取り扱いを始める大手スーパーも出てきそうだ。安全を巡り賛否両論あるが、消費者にとって気になるのは、原産国の表示だ。表示の仕組みはどうなっているのだろう。
◇味付け肉も義務化へ/ファミレスは一部導入
■加工度低いと表示
原産国表示は牛肉の加工程度で異なる。店頭で売られるステーキやカレー用などの精肉は、00年にJAS(日本農林規格)法で生鮮食品の表示が義務化されて以降、原産国表示されている。
昨年9月の同法基準改正で、新たに表示しなければならなくなったのは加工度の低い牛肉だ。例えば、タレにつけた味付け肉▽表面を焼いたタタキ▽衣をつけたフライ用▽野菜とセットになった鍋物などが相当する。2年の猶予が認められており、完全義務化されるのは来年10月以降になる。
加工度の高い缶詰、レトルト食品、ローストビーフなどは対象外だ。
■レストランは?
外食するときにも、原産国は気になる。農水省は今年7月、外食産業で使われる牛肉や豚肉なども、原産地を示すよう指針を設けた。農水省食品産業振興課は「ステーキやハンバーグなど、牛肉が主な原材料となるメニューであれば、表示の対象になる」と言い、原産地表示を呼びかける。すかいらーく(本社・東京都)など大手外食産業では、一部のメニューで原産国表示しているが、全面導入はまだ先という。
そうした中、ロイヤルカジュアルダイニング(本社・東京都)経営のチェーン店「シズラー」は入り口のメニューに食材の原産国表示を始めた。新宿三井ビル店の植田将典ゼネラルマネージャーは「表示を見ると、安心できると話すお客さんもいます」と話す。
■口頭で説明も
だが、表示にはコストがかかる。全国焼肉協会(約460企業加盟)は「相場や季節によって仕入れる材料が変わる。その都度メニューに原産地を書き込むのは難しく、従業員が口頭で説明することになりそうだ」と、協会として対応マニュアルを作る予定だ。
農水省が2年前に始めた「生産情報公表JASマーク」=図=も原産地選びの参考になる。マークのある商品は、生産者名や飼料の種類、使用医薬品まで分かる。普及度はまだ低く、牛肉では一部の国産と豪州産が認定された程度。マークは政府に登録された民間機関が飼育現場などを調べて認定する。
認定機関「リーファース」の水野葉子社長は、「米国産でも管理の行き届いた有機飼育のビーフなら安心できる」と話し、有機飼育された牛かどうかも目安になりそうだ。
■禁輸前と比べると
消費者にとって気になるのは、輸入禁止前に比べて米国産牛肉がどれだけ賄えるかだ。食品安全委員会がまとめた部位別充足率=表=によると、ステーキやヒレはほぼ確保できそうだ。しかし、1頭あたりから取れる量の少ないバラ肉やタンは、20カ月以下の牛しか輸入できなくなったため、以前よりも少量しか出回らない。牛丼の吉野家ディー・アンド・シーは「販売までに2カ月かかる。数量や時間を限定して売らざるを得ない」と話す。
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◆米国産牛肉の輸入禁止前と比較した充足率(食品安全委員会まとめ)
部位 用途 充足率
ヒレ ステーキ 100%
サーロイン ステーキ 100%
肩ロース すき焼きなど 66%
バラ 牛丼など 16%
舌(タン) 焼き肉 6%
はらみ 焼き肉 6%
毎日新聞 2005年12月23日 東京朝刊
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